「The Cry」を読み解きたい。 その①
その「Cry」は「泣く」なんだろうか「叫ぶ」なんだろうか。
そんなことを延々と考えている。
私は韓国語できません。できない私が
TheCryを訳しながらユチョンの世界観を理解しようと、もがいた足跡です。
読んだ方の「ユチョンの世界観」を台無しにしませんように。。。
冒頭の2行
「그래 깨웠던 사랑 날 재워준 사랑 날 죽였던 사랑
날 깨웠던 사람 날 재워준 사람 날 살려준 사람」
「そう、起こした愛 俺を寝かせた愛 俺を殺した愛
俺を起こした人 俺を寝かせた人 俺を生かした人」
この2行には対になっている言葉がある。
まったく真逆の。
「起こす」と「寝かす」
「殺す」と「生かす」
そして、似ている
「사랑」と「사람」
起こした愛、寝かせた愛、殺した愛。
起こした人、寝かせた人、生かした人。
つぶやくように歌う、
浮かんでは消えていく
起こし、寝かし、殺し、生かした「愛」と「人」
裏表のように、一体なのか。
それともそれぞれ。なのか。
思い出される、過去の様々な、「愛」と「人」
目を覚まさせてくれた愛。
私を安心して寝れるようにしてくれた愛。
私を殺した、愛。
私の目を覚まさせてくれた人。
私を安心して寝れるようにしてくれた人。
私を生かした、人。
「간지러웠던 날개 물고 또 물리다 보니
새삼스럽게 내 것이아니었단 걸 알게 된」
「くすぐったかった翼
噛みつ噛まれつしていると
今になって俺のものじゃなかったと知った」
今になって自分のものではなかったと知った、翼。羽。
くすぐったくて、照れくさくて、自分には不釣合いのようにあてがわれた翼。
噛みつ噛まれつ。翼は武器のようなもの?
自分を強くしてくれるもの?
「翼」を調べたら、次の言葉を見つけた。
「虎に翼を与えることなかれ」
もともと強い虎に空を飛べる翼を与えるな。
強いものにさらに有利になるようなものを与えるな。という意味の故事らしい。
なんとなく、主語を「虎(自分)」とするとそのあとの「噛みつ噛まれつ」が繋がるなと思った。
ユチョン寅年だし。
翼を与えられた自分(虎)が噛みつ噛まれつしていると
今になって自分のものではなかったと知った。
「噛みつかまれつ」の「물고 또 물리다 보니」の最初の部分。
の「물고」「物故」は「社会的に名のある人の死」という意味があるらしい。
「물리다 보니」が続くから、ここは「物故」ではなく「噛みつ噛まれつ」になるんだろうけど
この言葉のチョイスに意味がありそうで深読みしてしまう。
くすぐったかった羽。からの流れが唐突だから余計に。
自分のものではなかったと知ったものは「翼」だけかな。
冒頭部分の「人」と「愛」にはかかってはこないかな。。。なんて考えたりもして、
「다 쓸어 담지 못해 이미 재가 되어버린 존재
단 한 권의 Was a product to make someone’s profit
욕이 섞인 담배 나 연기 따라 저 하늘에 몇 번을 죽었지만」
「すべて掃き集められない。すでに灰なってしまった存在
たった一冊のWas a product to make someone’s profit(誰かの利益を生むための商品だった)
悪口まじりのタバコ。俺は煙と共に空へ」
すべては掃き集められない。(何を?)
なぜなら灰になってしまったから。(灰か。灰を掃いて集めようとしているんだ。でも集められない。灰だから。)
その灰は元はたった一冊の商品だった。誰かの利益を生むための。
(本という名詞は出てこないが「一冊」と表すことで本と想像できる。そして本は紙なので燃えて灰になったんだということがわかる)
product(商品)と聞いてすぐ、思い浮かんだ。
ユチョンの自作曲「名前のない歌パート1」の歌詞
商品という歌詞が出てくる部分を抜粋してみる。
「아무튼 우린 힘들지만
열심히 잘 살아가고 있어
괴롭힘에도 정말 웃으려고 노력하고 있어
이건 우리가 상품으로서 노력이 절대 아니야
인간으로서 내가 죽는 날
후회하고 싶지 않다는 노력인 것뿐이야」
「とにかく僕たちは大変だけど
一生懸命に頑張ってる。
嫌がらせにも本当に笑おうと努力している。
これは私たちの商品としての努力では絶対ない。
人間として僕が死ぬ日
後悔したくないという努力だけだ。 」
すでに灰になってしまった存在(それは)
たった一冊の。誰かの利益を生むための商品だった。
悪口まじりのタバコ。
(タバコ。火?このタバコが火元?
僕は煙と共に空へ。
(噂にのぼる。話題にのぼる。煙がのぼる。みんなのぼる。だ。)
悪口まじりのタバコで炎上して、商品としての一冊のものは灰になってしまった。
残ったのは「自分」
もう空にいる。灰の中にはいない。
灰になったのは、商品だった何か。
「一冊」ってなんで冊?個、じゃダメなの?とか最初聞いた時にはわからないことも
読んでいくと全部意味があるのがわかる。その言葉の選びかた。並べ方。本当にすごい。
唐突に「灰になった」と始まるけど、なぜ灰になったのか。
何が灰になったのか、「火」も「燃える」も出てこないけど、タバコが出てきて。
煙がのぼる、話題にのぼる。みたいな言葉遊びも隠されてたり、
表向きの意味も裏に含む意味も全部つながっていく。
ユチョンはいつでも「商品」としてではなく
「自分自身」で生きたいんだね。。。
その2に続く。
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